柿×食う=客 ③ 手計算でやってみる

一昨日から、算数パズル「かき×くう=きゃく」を、マクロによる総当たり計算で解いてみている。これについて、実際の解法についても話題となったので、私なりに解いてみることにした。
f:id:Infoment:20190113225649p:plain

様々な解法があるのは間違いない。あくまで、回答の一つということで。
まず、「く」に着目した。2個登場するうえ、一桁目は繰り上がりを考慮する必要が無いので。
f:id:Infoment:20190113225901p:plain

この「く」がとりうる値について考えてみる。

◆ く=0の場合
く=0の場合、「くう」が一桁になってしまう。
従って、く≠0である。

◆ く=5,9の場合
き=9,う=1,く=9のように、異なる平仮名に同じ数字が入ることはない。
き=う=3,き=う=7も同じ理由から成立しない。従って、掛け算の一桁目が9となるパターンは成立しない。く≠9
同じ理由から、く≠5である。

◆ く=6~8の場合
「くう」は、60~89の範囲にある。従って、「か=1」は確定である。なぜなら、「かき」が20以上であるならば、答えは4桁となり、「きゃく」の桁数が合わないから。
か=1の場合、き≧く+1が確定する。なぜなら、繰り上がらなければ「きゃく」は「くゃく」になってしまうから。
● く=6 ならば き=7~9
 一方、く=6の組合せは2×3,2×8,4×9のいずれか。
 18×62=1116 ⇒ 桁数で不成立
 19×64=1216 ⇒ 桁数で不成立
● く=7 ならば き=8または9
 一方、く=7の組合せは3×9のみ
 19×73=1387 ⇒ 桁数で不成立
● く=8 ならば き=9
 一方、く=8の組合せは2×4,2×9,3×6,4×7,6×8のいずれか。
 19×82=1558 ⇒ 桁数で不成立

◆ く=4の場合
「くう」は、40~49の範囲にある。従って今までと同じ桁数の理由から、
「か=1または2」である。
一方、く=4の組合せは、2×7,3×8,6×9のいずれか。
● か=1 ならば き≧4(繰り上がるかもしれないから)
 17×42 = 714 ⇒ 「か=や」となって不成立
 18×43 = 774 ⇒ 「き=や」となって不成立
 16×49 = 784 ⇒ 「き=6且つ7」で不成立
 19×46 = 874 ⇒ 「き=8且つ9」で不成立
● か=2 ならば き≧8(繰り上がるかもしれないから)
 28×43=1204 ⇒ 桁数で不成立
 29×46=1334 ⇒ 桁数で不成立
以上のことから、く≠4である。

◆ く=3の場合
「くう」は、30~39の範囲にある。従って今までと同じ桁数の理由から、
「か=1~3」である。しかし既に「く=3」であるため、「か≠3」である。
従って、「か=1または2である」。
一方、く=3の組合せは、7×9の一通り。
 17×39 = 663  ⇒ き=やになるなどして不成立
 19×37 = 703  ⇒ き=7および9となって不成立
 27×39 = 1053 ⇒ 桁数で不成立
 29×37 = 1073 ⇒ 桁数で不成立
以上のことから、く≠3である。

◆ く=2の場合
「くう」は、20~29の範囲にある。従って今までと同じ桁数の理由から、
「か=1,3,4」である。
一方、く=2の組合せは3×4,4×8,6×7,8×9の4通り。
 13 × 24 = 312 ⇒ 「か=や」となって不成立
 14 × 23 = 322 ⇒ 「や=く」となって不成立
 14 × 28 = 392 ⇒ 「き=3且つ4」で不成立
 18 × 24 = 432 ⇒ 「き=4且つ8」で不成立
 16 × 27 = 432 ⇒ 「き=4且つ6」で不成立
 17 × 26 = 442 ⇒ 「き=や」となって不成立
 18 × 29 = 522 ⇒ 「や=く」となって不成立
 19 × 28 = 532 ⇒ 「き=5且つ9」で不成立

 34 × 28 = 952 ⇒ 「き=4且つ9」で不成立
 38 × 24 = 912 ⇒ 「き=8且つ9」で不成立
 36 × 27 = 972 ⇒ 「き=6且つ9」で不成立
 37 × 26 = 962 ⇒ 「き=7且つ9」で不成立
 38 × 29 = 1102 ⇒ 桁数で不成立
 39 × 28 = 1092 ⇒ 桁数で不成立

  か=4の場合、数字の重複などから、組合せは6×7と8×9
  45 × 25 = 1125 ⇒ 桁数で不成立
  であることから、当該組合せは全て桁数で不成立
以上のことから、く≠2である。

◆ く=1の場合
く=1の組合せは、3×7の一通り。9×9は「き=う」で不成立
 23 × 17 = 391 ⇒ 成立
 57 × 13 = 741 ⇒ 成立
以上のことから、答えは以下の二通り。
f:id:Infoment:20190116224425p:plain

本当は「く=1」から始めれば、直ぐに答えに辿り着く。ただ二通りある時点で、「3つ目の答えが無い」と断言できなかったため、敢えて反対側から求めてみた。

参考まで。