お前に勝てる!

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漫画「ONE PIECE」の10巻 第90話に、こんなルフィのセリフがある。

ルフィ:
 何もできねエから助けてもらうんだ!!!
 おれは剣術を使えねェんだコノヤロー!!!
 航海術も持ってねェし!!!
 料理も作れねェし!!
 ウソもつけねェ!!


アーロン:
 そんなプライドもクソもねェてめェが
 一船の船長の器か!!?
 てめェに一体何ができる!!!


ルフィ:
 お前に勝てる

ameblo.jp

大変印象深いシーンで、初めて読んだ時のことを今も覚えている。

時は15年以上流れて、先日のこと。下記の本を拝読した。

指導者の条件

指導者の条件

この中で、「人を使う」ということについて、「漢」の高祖「劉邦(りゅうほう)」が、部下の名将「韓信(かんしん)」と交わした会話が紹介されていた。

劉邦
 自分ははかりごとをめぐらすという点では軍師の張良に及ばない。
 また、行政といった面では宰相の蕭何(しょうか)に及ばない。
 さらに軍隊を指揮して、戦えば必ず勝つということでも、将軍の
 韓信にはかなわない。
 この三人はいずれも非常な傑物である。ただ自分は、この三人を
 よく用いることが出来る。それが天下をとれた理由だ

これを読みながら直ぐに、上記のシーンが脳裏に浮かんだ。ルフィと劉邦の言わんとするところは、登場人物の名が違うだけで、その根本は同じだと思った。

ここで私が言いたいのは、何が何を引用したとか、何かが何に似ているとか、そんなことではない。ここに紹介した二人の考えは誰かの独創ということもなく、人としての普遍的な考えであると思うからだ。

では、何が言いたいかと言えばそれは、歴史的事実であれ創作であれ、それが人としての真実を述べているのであれば、そこには大いに学ぶ価値が有るということ。指導者が「ONE PIECE」を指南書として愛読しても、何ら問題ないと思う。

さらに言えば「指導者の条件」には、「三国志」の有名なシーンが複数回引用されている。一方、私たちにとって普段身近な「三国志」もまた、史実をベースにした壮大な歴史小説らしい。
ja.wikipedia.org

従って、「指導者の条件」に引用されたシーンは後世に書き足された物語ということも、ひょっとすればあるかも知れない。しかし、私はそれでも良いと思う。ONE PIECEに感銘を受けて指導者としての在り方を学ぶこととそれと、一体どれほどの違いがあるというのか。歴史に学ぶ・小説に学ぶ・漫画に学ぶ。全て大いに結構なことだ。

近い将来、漫画の様々なシーンから学ぶというビジネス書が出る日も、そう遠くないかもしれません(もう出てる?)

以上、参考まで。