腕立て伏せと忍者と一次不定方程式

年々、肝臓の数値が少しずつ悪くなっている。そこで一念発起して、
腕立て伏せをすることにした。
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今回は三日坊主にならないよう、少しずつ負荷を上げることにした。

  1. 初日は1回。二日目は2回というように、一日1回ずつ増やす。
  2. 腕立て伏せではなく、拳立てとする。
  3. 全てを一度に行わない。なるべく負荷を等分したい。

忍者が毎朝、成長の早い麻の上を飛んで修行したように、少しずつ回数を
増やそうとしたわけだ。拳立てにしたのは、体重に負けて手首を痛めそう
だったから。

ということで始めたのが昨年の10月。気が付けば100回の大台に到達し、
今は100回のまま継続している。

ところで、なるべく均等に割りつつ、ぴったり100回としたい。しかも
1セット11回以上とする場合、何回を何セットすればよいだろう。
それは例えば、こんな一次不定方程式を解くことで求められる。

 12x+11y=100 を満たす整数解を求めよ。

なるべく1セット11回にして、端数は12回のセットで調節する。
解き方は色々あると思うが、例えばこんな風に式を変形すれば、

 x+11(x+y)=1+11×9
 x=1, y=8

となる。そうか、一次不定方程式なんていつ使うん?と思ってたけど、
例えば身近でこんな使い方もあるのか。

ところで、今年の共通テストの数学でも、一次不定方程式の問題が出ていた。
面白そうだったので、答えを見ずに解いてみた。

↓ 問題は、東進のページ(P25)を参照した。
https://www.toshin.com/kyotsutest/data/507/sugaku-1a.pdf

まず、5^4を2^4で割ったときの余りは1に等しい。らしい。実際計算してみると、
確かに以下のとおりだ。
 5^4=2^4×39+1
これを変形すれば
 5^4×1-2^4×39=1
となるので、
 5^4x-2^4y=1
の整数解のうち、xが正の整数で最小になるのは、そのまま
 x=1, y=39
となる。一つ前の式と二つ前の式の両辺を引き算すると、
 5^4(x-1)-2^4(y-39)=0
 5^4(x-1)=2^4(y-39)=k(kは整数)とおくと、
 x=2^4k+1
 y=5^4k+39
となる。
 2^4k+1 がとる最小の二桁の正の整数はk=1 のとき、
 x=2^4×1+1=17
 y=5^4×1+39=664
となる。

(2)は、
 625^2=5^8
であり、またm=39とすると、
 625^2=(2^4m+1)^2=2^8m^2+2^5m+1
となる。この辺りは、先に出た解をそのまま代入して計算すれば求まるか。

(3)は、問題文の示す5^5x-625^2は5^5・2^5の倍数であるが理解できなくとも、これを用いれば答えが導ける。すなわち、
 5^5x-625^2=5^5x-5^8=5^5(x-5^3)=5^5・2^5k(kは整数)
両辺を5^5 で割れば、
 x-5^3=2^5k
 x=2^5k+5^3
従って、xが3桁の整数で最小になるのは、k=0 のとき、即ち
 x=5^3=125, y=12207

(4)は、(3)までの過程を繰り返せば同様に求まる。従って、
 11^5(x-11^3)=11^5・2^5k(kは整数)
 x=2^5k+11^3>0 のとき、k>-41.6であるから、
 x=2^5×(-41)+11^3=-1312+1331=19
 y=95624
となった。

一応解けたといっても、解き方がこれで正しいか分からないし、計算には電卓を
使ったので、受験生と比べてフェアではないかな。とりあえず、2年後に受験を
控えた長男のための予行演習ということで、ご勘弁ください。

以上、参考まで。